実際の事例
ゴーストシミュレーション(Stray Light Analysis)
例えば結像レンズに対して太陽光が入射した場合に、有害なゴーストやフレアがどの入射角度で生じるかといった予測は実際に光線追跡をする以外には正確には割り出せませない。
そこで、まず、全体の傾向を確認するため、平行光束である太陽光を10度~50度の範囲で5度ずつ移動させながら放射照度分布を計算するスクリプトを作成して起動する。
「放射照度分布」を実行して生成された放射照度分布図を描画して図中のホットスポットエリアをマウス操作で囲み選択する。
「迷光パスレポート」画面を開き、このホットスポットの原因面が10面と2面の内面反射であることが確認できる 。
こうして、この2つの面に対してARコートなどを施してホットスポットを弱めるという設計方針が明確になった。
3本チャートの照明と実画像シミュレーション
照明光学系で3本チャート面を照射し、このチャートの反射像をレンズでC-MOS上に結像させる2つの光学系を、同時に評価する。
配置:
- 照明系:LED光源、ハウジング、コリメータ用フレネルレンズで3本チャート面を照射。
- 3本チャート面:黒部を「Black Lambertian」、白部を「White Lambertian」で構成。
- 結像系:第一面の有効径で「Importance Sampling」を指定。
光学的には3本チャート面を物体面、C-MOS面を像面として配置。鏡筒データをCADで配置。
3本チャート面とC-MOS面の2つの分析面に於ける、放射照度分布を同時に評価した。こうして、マシンビジョン分野で、照明系で非検体を照明しカメラの撮像状態を確認することができた。
飛行時間シミュレーション
Time of Flight(ToF)センシングは、昨今ではLiDARなどの先進運転支援システム(ADAS)の重要なテクノロジーの1つであり、電話などの家庭用電化製品にも搭載されています。Time of Flightの計算では、光線が移動した光路長から導き出すことができます。この例は、自動車に用いられるLiDARを模しています。
この例では、インポートされたCADデータを使用してFREDでのストリートシーンを作成しています。
1000万本の光線のより大きなセットを処理するわずか数分で、シーンの放射照度を生成し、データセットから距離情報を抽出できます。
計算結果では2台の車の距離の違いや途中にに立っている人、周辺建物の詳細などを引き出しています。上記結果データの赤色は約5mの距離に表し、紺色は約32mを表しています、カラーステップは約30cmの解像度を表します。
位相シフト干渉計のモデル化
表面が特定の形状(平面や球面など)であることが要求される光学系について、どのようにその面を検査したら良いでしょうか? 高精度な製造に欠かせない、設計形状からのずれ量の測定は、位相シフト干渉計で行うことができます。
上記のようなシステムを適切にモデル化するためには、ソフトウエアとして次の2つの要件を満たす必要があります: (i)コヒーレントビームの伝搬を正確にシミュレートできること。 (ii) インターフェースでCADのような大規模な光学系を扱えること。
FREDの特長のひとつが、コヒーレントレイトレーシングアルゴリズムです。使用されているのは「コンプレックス・レイトレーシング」と呼ばれる方法です。これは、小さなガウシアンビームを伝播させ、非連続的な方法でコヒーレントビーム(複数可)の伝播をシミュレートできます。干渉と回折の効果も、すべてアルゴリズムに組み込まれています。
位相シフト干渉計の目的は、被検面とも呼ばれる試料鏡の表面形状を解析することです。平らな参照鏡をナノステージ装置で4回、λ/8ステップで移動させます(総光路長変化量λ/4)。その後、ビームを再合成して、イメージセンサー(FREDでは分析面)上の各参照鏡位置における放射照度を計算します。生成された4つの干渉像の放射照度分布を用いて、以下の式で被検面のラップ位相と呼ばれるものを作成することができます:
そして、ラップ位相から、位相アンラッピングアルゴリズムを適用し、面のサグ量を算出します。
この干渉計シミュレーションの目的は、この結果を得ることです。これは、我々が使用した摂動毎のFreeform(自由曲面)に基づく表面のサグ量、すなわち平坦な表面からのずれ量をミクロン単位で表したものです。この結果を見ると、それが0から1/2ミクロン(500nm)の範囲であることがわかります。